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2025年05月13日

ベン・クライマーはバゲットセットされたダイヤモンドが大好物だ。

クロノメーター コンテンポラン II ディアマンをつけて現れた彼は、私にそう教えてくれた。彼は世界で最も高級なモダンウォッチ、それもバゲットダイヤモンドをあしらったモデルに大きく予算を割いたのだ。しかし何が彼をジェムセットの時計に傾倒させたのだろうか?

 バゲットセット仕様のものは、ジェムセットした時計の頂点に君臨する。それらのなかには趣味のいい華やかなものもあれば、奇抜で退廃的なものもある。ミッドセンチュリーのドレスウォッチに散りばめられたバゲットインデックスには、紛れもなく洗練された雰囲気が漂う。バゲットダイヤモンドは細長く高価であり、ダイヤモンドカットにおけるイングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)のようでもある。全面にバゲットセットを施したスポーツウォッチもあり、こちらもジェムセットの派手さにおいてマグニチュード10相当の破壊力がありそうだ。大胆で隙がなく、やや刺々しさを感じさせる。そう、メイ・ウエスト(Mae West)氏がLAにある中華料理の名店“Mr.Chow”に現れたとき、自然とスタンディングオベーションが起こったような感じだ。

Rexhep Rexhepi
バゲットインデックスを備えたレジェップ・レジェピ クロノメーター コンテンポラン II ディアマン。

 現代的なバゲットカットの手法は1912年にカルティエによって編み出された。その後数十年間、アール・デコ期のジュエリーデザイナーたちはクリーンな直線と幾何学的なフォルムを強調するために、このタイプのストーンカットを採用した。バゲットは1930年代のレディースウォッチの装飾にも見られ、男性用の懐中時計および腕時計のダイヤルのインデックス/アワーマーカーにも使用されていた。

Cartier Art Deco timepieces
 今日の高級時計製造において、バゲットカットは最も好まれるプレシャスストーンのスタイルとなっている。パテックやロレックスのようなスイスの老舗メーカーからジェイコブやMB&Fのような独立系時計メーカーまで、バゲットシェイプの宝石は注目の的だ。スポーツウォッチに最も多く見られるバゲットセット仕様の時計の人気は、(富裕層に限るが)時計収集界隈の上層部において特に顕著だ。宝飾品とは異なり、バゲットをあしらった時計は広大な時計の世界でもほんの一角に過ぎない。希少性や経済的な側面はさておき、バゲットカットの美しさは見る者を驚嘆させる。だから、この記事に掲載されている宝石をあしらった時計の画像をじっくりと眺め、目を眩ませることが心の逃避行となれば幸いである。

バゲットカットの技法を知る
 では、なぜバゲットカットがスイスの由緒ある時計ブランドに選ばれるようになったのだろうか。ラウンドストーンと比較するとバゲットは表面積が大きいので、それゆえに好まれるようになったという話もある。「表面積が大きいほど石の視認性と色の輝きが増し、石がより格調高く見えます」。こう解説するのは石のカットとセッティングを専門とし、ジュネーブに本社を置くピエール・サラニトロ(Pierre Salanitro)社である。

Patek
パテック フィリップ  アクアノート・ルーチェ Ref.5260/1455R

 サラニトロ社はオーデマ ピゲやパテック フィリップを含む高級時計メーカーからジェムセッティングの依頼を受けることが多い。2022年、パテックは同社の株式40%を取得したことを発表。パテックは昨年、ダイヤル、ベゼル、ケースサイド、ブレスレットに130個のバゲットカットのダイヤモンド(8.66ct)と779個のマルチカラーのバゲットカットサファイア(45.05ct)を“インビジブルセッティング”なる技法で取り入れたアクアノート・ルーチェ 《レインボー》ミニットリピーター Ref.5260/1455Rを発表した。なぜって? その答えはパテックのみならず、同業他社にとっても超複雑機構やクラフツマンシップ、そして単に“我々はこれを作ることができる”ということを誇示するのと同列なのかもしれない。

Patek 5719 watch
パテック フィリップ ノーチラス Ref.5719/10G。

 ジェムセッティングした時計の消費主義的な側面を非難する前に、宝石のセッティングは尊敬に値する技術であることを理解することは重要だ。「バゲットストーンのセッティングは複雑で、ラウンドストーンのセッティングとは大きく異なります」とサラニトロ社は解説する。「とりわけインビジブルセッティングの技法は石を下から固定し、上から金属素材が見えないようにするため難しいのです」

 それを踏まえると高級メーカーがこの技術に傾倒するのは当然だ。アフターマーケットのジェムセッティング業者には完全コピーできないクラフツマンシップを宿す時計……、たとえばロレックスのレインボーデイトナ、パテックのノーチラス Ref. 5719/10Gのようなモデルのリリースはスイスのブランドがアフターマーケットとの差別化を図るための手法のひとつなのだろうか?

Drake wearing a diamond set Nautilus
パテック フィリップのノーチラスRef.5719/10Gを着用するドレイク(Drake)氏。Photo: Getty Images

 しかし本当の理由は基本的な経済原理に基づくものなのかもしれない。「スイスにはこの技術を取り扱えるセッター(技師)が非常に少なく、その数は増大し続ける需要を満たすには不十分なのです」とサラニトロ社は説明する。バゲットのセッターにとって課題となるのは、その工程が非常に手間のかかるものであること、そして多くのブランドは単にそのような専門家を揃えるだけの経営資源を持っていないということだ。供給を制限するもうひとつの要因は(これも経済原理だが)、必要な品質の宝石を調達するのが難しいという絶対量の不足の常態化だ。バゲットはほかのカット技法よりもファセットが少ないため、不純物が目立ちやすい。これを避けるにはより質のいい原石が必要だ。つまるところジェムセッティングは、ある匿名の業界関係者が言うところの“職人の飲み比べ合戦”のひとつに過ぎない。これも正統なマーケティング用語のリストに加えようか?

 バゲットをアフターマーケットでセッティングすることは可能だが、通常の製造工程で行う技法とは異なる。「セッティングは、たとえばパヴェ(pavé)のようなものではありません。まったく別ものです」。時計ディーラーでありGIA認定宝石鑑定士、4代目宝石商のロイ・ダビドフ(Roy Davidoff)氏は言う。「バゲットをケースにセットするためには時計の構造全体を変える必要があります」。宝石のセッティングを前提としたデザインでない限り、シンメトリー(左右対称性)を実現するのはほとんど不可能に近いのだ。

Gem-set Royal Oak
10本限定のレインボー・ロイヤル オーク Ref.15514BC。ジェムセッティングはサラニトロ社によるもの。バゲットカットのエメラルド861個(~32ct)がセッティングされた、41mm径で自動巻きの18KWG製ロイヤル オーク。


41mm径、自動巻きのWG製ロイヤル オーク、バゲットカットのオレンジスペサルタイトガーネット861個(~47.3ct)。


バゲットカットのピンクトルマリン861個(~35.8カラット)がセッティングされた41mm径の自動巻きロイヤル オーク。

 おそらくアフターマーケットでの改造が原因で、宝石がセッティングされた時計は純粋主義者を自認するコレクターや愛好家のあいだで時計学的な逸脱のシンボルとなっている。ジェムセット仕様の時計は往々にして、その美的センスと莫大な値札だけでなく、アイスド・アウト(ド派手な装飾)が施されたアフターマーケットのパヴェケースやプリンセスカットのダイヤモンドがセットされたベゼルを連想させる。時計学の専門家たちによれば、製造時のものから逸脱することはその時計の格を下げる結果にしかならないという。これらは私が支持する考え方ではないが、2024年現在において広く受け入れられている教義なのである。

 ハイジュエリーに精通した人々にとってバゲットカットの石は定番であり、これからもそうあり続けるだろう。「私たちが長いバゲットを愛するのは、カットの難しさを知っているからです。ことわざにもあるように“オムレツを作るにはたくさんの卵を割らなければならないし、本当に長いバゲットを作るにはたくさんのダイヤモンドを割らなければならない”のです」。 サザビーズのジュエリー部門、北米担当のフランク・エヴェレット(Frank Everett)副会長はそう説明する。「バゲットの魅力は、タイルのように使えることです。小さなラウンドダイヤモンドでセッティングするのではなく、タイルで敷き詰めるのです。小さなラウンドブリリアントで空間を埋めることは、その隙間を支えの金属で埋めることを意味します。バゲットなら100%ダイヤモンドで空間を埋めることができます。よりラグジュアリー感が増すのです」

VCA Baguette-set jewels
左:ヴァン クリーフ&アーペル “ミステリー・セット”のルビー&ダイヤモンド クリップ ブローチ(1965年ごろ)、右:同じくヴァン クリーフ&アーペルのテーパーバゲットをセットしたイヤリング。 Images: courtesy of Sotheby's

 ハイジュエリーにおけるバゲットの使用は、トレンドに左右されるものなのだろうかと私はエヴェレット氏に尋ねた。「バゲットは構成要素です。モチーフを作るのに欠かせない存在だからこそ、使われないということはないでしょう。丸い形状だけではデザインは作れません。直線でなければならないのです」

スポーツウォッチにおけるバゲットセット仕様の台頭
 バゲットセット仕様のスポーツウォッチは、ヴァン クリーフ&アーペルのインビジブルセッティングのアールデコ調ブローチとは隔世の感がある。しかしその系譜は、50年代から60年代にかけてパテック フィリップが復活をもたらしたアール・デコのデザインにさかのぼることができる。


パテック フィリップ Ref.3428。Image: courtesy of John Nagayama

 女性用カクテルウォッチ以外でも、パテックのカタログを見れば時計デザインにおけるバゲットストーンの使用の進化は明らかである。「バゲットカットのダイヤモンドは比較的軽いため、1930年代から男性用懐中時計や腕時計のダイヤルのインデックスやアワーマーカーとして使われ始め、1950年代から60年代にかけてますます人気が高まりました」と、Collectabilityの共同創設者であるタニア・エドワーズ(Tania Edwards)氏は説明する。そして現代のバゲットセッティングを施したスポーツウォッチの先駆けといえば、パテックのRef.3428だ。ダビドフ氏が“1972年以前のスポーツウォッチ”と表現するRef.2526の後継モデルで、自動巻きムーブメントであるCal.27-460、ボーゲル社製の防水ケース、そしてRef.3428の全体的に堅牢な質感は、パテックが実際にスポーツウォッチを作る前にスポーツウォッチを手がけていたことを物語っている。このRef.3428の究極ともいえる1本は、3時、6時、9時位置にダイヤモンドのバゲットインデックスをあしらっている。

Patek watch
パテック フィリップ Ref.3424/2 。ジルベール・アルベール(Gilbert Albert)デザインによるPt製ケース。 Image: courtesy of Antiquorum

「バゲットダイヤモンドがメンズウォッチのケース装飾に使われるようになったのは、1950年代のことです。1955年にジュエラーのジルベール・アルベールがパテック フィリップに入社すると、時計の装飾に宝石をより実験的に使用するようになりました」。エドワーズ氏はこう解説する。アルベールによるバゲットダイヤモンドの使用は、Ref.3424のように60年代のアシンメトリカルコレクションの大胆で未来的なデザインをさらに際立たせたが、細長いバゲットの使用は伝統的なアール・デコの美学を踏襲していた。

70s baguette-set Patek
パテック フィリップ Ref. 3540とRef.3625。

 1970年代を通じて、パテックはRef.3540やRef.3625に代表されるデザイン主導のバゲットセットのモデルをリリースしていた(他社も同様)。これらのデザインは、現代のように洗練されたセッティング技法が一般的になるはるか以前から行われていたものだ。ダビドフ氏は私がWhatsAppで送信した大量の画像に対する返信で次のように述べている。「Ref.3625のセッティングは1本の支えで石を留めるカクテルリングのようなもので、Ref.3540の小さなエメラルドカットはそうですね...…、ベゼル上のふたつの石が正しくセッティングされていませんね。しかしこれは当時許容されていたもので、ロレックスのRef.6270が当時としてはいかによくできていたかを語るのと同じです。クレイジーのひと言です」。ロイ、話題を広げてくれてありがとう。

Rolex ref. 6270
ロレックス デイトナ Ref.6270

 ジェムセットされたスポーツウォッチの元祖といえるのがロレックス GMTマスター “SARU” Ref.16758(1980年)だ。厳密にはこの初期ロレックスのジェムセット仕様のリファレンスは、トラピーズカット(Trapeze-Cut)の石を使用している。しかしこれはバゲットと同じ系統のものだ。厳密にバゲットを語るのであれば、Ref.6270(1984年)が真の出発点である。しかし台形型の石は、2000年代初頭のロレックスによるジェムセットしたスポーツモデルの大半に使用されるようになった。まあ、その事実は本記事の進行のために棚上げしておこう。80年代にはケースと同じバケットベゼルを備えたデイデイト、なかでもバゲットのベゼルとセンターリンクを備えたさまざまなオイスタークォーツ “オクトパシー”のバリエーションを含む、ド派手な宝石三昧(ざんまい)のデザインが台頭した。

Rolex Saru
左:ロレックス GMTマスター “SARU” Ref.16758 (1980)。Image: courtesy of The Keystone. 右:ロレックス オイスタークォーツ デイデイト “メカノ” Ref.19168 (1985年)。Image: courtesy of Sotheby's

 そして1990年代の自動巻きデイトナの登場後、ロレックスは宝石をちりばめたRef.6270のレシピを取り入れ、スポーツウォッチとジュエリーウォッチの融合、その基準を打ち立てる旅に出た。この試みは、ロレックスによる“プロフェッショナル”向けのツールウォッチメーカーとは真逆のラグジュアリーブランドとなるための多大な努力と相まって絶頂期に達した。ロレックス Ref.16568とその後継モデルはアワーインデックスにバーを配し、そのあいだにふたつのバゲットストーンを敷き詰めたのだった。

 ベイエリアを拠点とする時計専門家であり、オンラインオークションプラットフォームLoupe Thisの共同設立者であるエリック・クー(Eric Ku)氏は、「ベゼルのバーは見栄えのためではなく、必要に迫られて使われたのでしょう」と説明する。「専門的なことを言えば、ダイヤルの円周上に石をはめ込むための必要悪だったのです。バーなしでそれを行うと、すべての石を完璧にセットするのは難しいのです。それぞれの石のカラット数にも微小なばらつきがありますし、寸法も微妙に異なります。そうすると欠点が目立つようになります。これはそれを覆い隠す方法のひとつなのでしょうね」

Gem-set Rolex Daytona
ロレックス デイトナ Ref.16568。Image: courtesy of Amsterdam Vintage Watches

 2004年、ロレックスはコレクターのあいだで“レオパード”として知られているコスモグラフ デイトナ Ref.116598 SACOをリリースした。ロレックス史上最もエキセントリックな時計といわれるこのモデルは、2012年、そして2018年に登場したデイトナ レインボーのカラフルな先駆けとして登場した(それ以前だと、クー氏が最近販売したという1997年に製造されたユニークピースが存在する)。

Patek ref. 4700-006 ladies' watch
パテック フィリップ ノーチラス Ref.4700/6。Image: courtesy of Christie's

 パテック フィリップにおけるバゲットダイヤモンドの最も早い導入は、レディースモデルのノーチラス Ref.4700/6(1984年)とされる。1980年代から1990年代初頭にかけて、パテックは特別注文で紳士用ノーチラスにバゲットダイヤモンドをあしらっていたが、通常生産の紳士用ノーチラスにバゲットダイヤモンドがあしらわれたのは1997年に発表された18KWGまたはPt製Ref.3800/130が初となる。これもまた、明らかなコスト上昇と低需要という事情からごく少量だけ生産されたものだ。

 今日においてパテック フィリップはアクアノート・ルーチェを、バゲットセッティングを施した多くの大胆なモデルのキャンバスとして使用している。グレネード柄のダイヤルはこの種のセッティングに適しているが、複雑なジェムセッティングを誇示するためにその主な存在意義である防水性を無視するというのは、まったく表面的な試みに成り下がっていると言えるかもしれない。

Rube Patek Aquanaut watch
ユニークピースの可能性が高いパテック フィリップ アクアノート Ref.5063G (1997年)。 Image: courtesy of Christie's

 オーデマ ピゲがロイヤル オークにバゲットを使用し始めたのは1982年のことだ。初の完全アイスド・アウトモデルであるロイヤル オーク Ref.25688は、1989年にユニークピースとして特注された。39mm径のPt製ケースにバゲットカットダイヤモンドが敷き詰められ、MOP(マザー・オブ・パール)のダイヤルにはデイ/デイト表示とムーンフェイズ表示が備わっている。

 Ref.25688のような完全なアイスド・アウトモデルは、おそらく仕様変更の結果の産物なのだろう。ダイヤルのシンプルな3・6・9のインデックスから始まり、ベゼルの複雑なセッティング、そしてケース、ブレスレットのセンターリンクへと広がり、最終的には時計全体がバゲットで飾られるようになる。最も極端なケースでは、ムーブメントのブリッジにまで宝石がセッティングされていた。

Omega De Ville Central Tourbillon watch
オメガ デ・ヴィル センタートゥールビヨン 38.7mm Ref.513.98.39.21.56.001

 ダビドフ氏はヴァシュロン・コンスタンタンのカリスタ、ピアジェのオーラをアイスド・アウトウォッチの美の先駆者として挙げている。「バゲットの物語は、カリスタなしでは語れません。これは初のフル“バケット”のアイスド・アウトウォッチなのです」と彼は言う。1kgのゴールド無垢のインゴットから削り出され、118個のダイヤモンド(合計130ct)をセッティングしたカリスタ(ギリシャ語で“最も美しい”の意)はカットと組み立てに5年を要した。完成までに費やされた作業時間は実に6000時間を超える。

Acheron Kallista
ヴァシュロン・コンスタンタン カリスタ。Image: "Secrets of Vacheron Constantin" by Franco Cologni

「バゲットカットダイヤモンドの採用は、21世紀を迎えると特定のモデルでますます頻繁に見られるようになりました」と、オーデマ ピゲの元複雑機構部門責任者であり、待望の新ブランドであるパターン レコグニション(Pattern Recognition)の創設者であるマイケル・フリードマン(Michael Friedman)氏は説明する。「より大きなジュエリーを求める幅広いトレンドが復活し、アール・デコの美に対する永遠の憧憬が消えることはありませんでした。大型の時計と大型のベゼルは、バゲットカットダイヤモンドに適した余分なスペースを提供することになりました」。Ref.5071は異例なほど幅広のフラットベゼルを備え、パテックによるアイスド・アウトされた量産シリーズ、スポーツウォッチの初期の試みのひとつだった。2000年代のパテックのようなブランドにとってカタログのなかで最も魅力的なモデルは、典型的なクラシックスタイルの複雑時計であった。レアなケース素材やレアなダイヤルの個体を入手することがステータスであるなら、ジェムセット仕様のバリエーションを手に入れるのはさらに大きなステータスとなる(Ref.5071とRef.5971をご覧いただきたい)。おそらくこれらの時計は、アフターマーケットの熱狂に対するアンチテーゼとして作られた部分もあったのではないだろうか。工場でダイヤモンドセッティングを施したコンプリケーションウォッチは、確かにジェムセット仕様の時計における究極のステータスではある。  

Posted by aldersonjoyeria at 12:51Comments(0)